昨夏の大ホールロビーの階段に続き、小ホールロビーの階段も視認性を向上させてみました。大ホールとの違いは、コントラストの付け方です。
大ホールロビーの階段は、存在を主張しない暗いトーンで仕上げられています。今から約50年前の開館当時は雰囲気重視で良かったのかもしれませんが、今では段と段の境界が認識しづらく、転倒の可能性が懸念されます。そこで段鼻(階段のへり)に白いラインを敷いて境界の存在を明確にしたのは、前回の記事で書いた通りです。
今回の小ホールロビーの階段は、薄いグレーのやや明るいトーンになっています。単にコントラストを付けるなら段鼻を黒くすればいいのですが、光を反射しないので境界の存在をアピールするには不向きです。そこで選んだのが、おなじみ高輝度の黄色いノンスリップ(滑り止めゴム)です。施工してみるとしっかり目立ちますが、意外と気になりません。この「気にならない」というのが大事で、目の隅で認識できて、無意識に歩幅の調整を促せるのが理想です。目にストレスを感じさせることなく、いい塩梅に収まったのではないでしょうか。