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横浜ラポール 育成 2

横浜ラポール

劇場運営マネージメント講座
シリーズ「これからのインクルーシブ社会と公立文化施設の取り組み」
第3回 バリアフリーの先駆的施設に学ぶ配慮

  • 2016年12月8日 実施
  • 障害者スポーツ文化センター 横浜ラポール
新横浜にある障害者スポーツ文化センター 横浜ラポールの開館は1992年。
バリアフリーという言葉が定着するはるか前から、
障害を持つ方のスポーツ活動、文化活動を支援し続けてきました。
開館から25年近くが経った今も、年間約45万人の人々が足を運ぶ施設です。
第3回講座は、バリアフリーの先駆的施設を見学します。

この日の講座には、県内の9つの施設から参加者が集まりました。
先ずは自己紹介に始まり、横浜ラポールの臼井館長からのご挨拶と施設の歴史についてお話しを伺いました。
続いて施設紹介ビデオを観てラポールが果たしてきた役割を理解し、
管理・文化事業の担当者から障害を持つ方のスポーツと文化活動についてお話しを伺いました。
施設の歴史と概要を頭に入れた後は、いざ館内ツアーです。

ラポールは大きく分けてスポーツ施設と文化施設の二つからなり、
聴覚障害者向け情報提供サービスの受付と、誰でも利用できるレストランを併設しています。

最初に見て周ったのはスポーツ施設部分。
ボウリングレーン、卓球台、ジム、プール、テニスコート、アーチェリー場などがあります。
地下の競技用トラックの天井に設置されたレールからは、太いロープが垂れていました。
それを摑んでガイドにすれば、視覚に障害のある方でも一人で利用できる仕組みです。

文化施設部門は、工芸活動用の工房、キッチン、おもちゃ図書館、和室、会議室、
視聴覚室、多目的スタジオ、そして300席のホール。
全ての設備に障害を持つ方への配慮が施されています。
ツアー中の解説は設備だけに留まらず、非常時の案内・誘導方法や、
接する際の基本的な考え方にも及びました。
接し方について担当の方は、
「あまり口を出すことはしない」とのことです。
何か困っているようならしばらく見守り、それでもダメなら声をかけるようにして、
なるべく当事者の自主性を重んじるようです。
劇場のロビーではこうはいきませんが、障害の有無に関わらず、
イコールな関係で普通に付き合う姿勢は学ぶべきところです。

施設の特性を端的に表していたのは、館内サインの徹底したバリアフリー化です。
壁、床、天井、あらゆる所に様々な書体と色使いのサインが溢れています。
障害の種類によって視認しやすい色や位置が異なることを考慮し、
試行錯誤を繰り返して今の状態に辿り着いているそうです。
劇場やホールのロビーの雰囲気も公演の一部であるという考えと、
全ての障害に対応するにはここまで徹底するという現実。両立の難しい課題です。
「今はこの表記方法ですが、未だに試行錯誤を続けています」という担当の方の言葉に、
ラポールですらそうなのかと参加者の気も多少楽になりました。

二時間超えのツアーを終え、最後は300人収容のラポールシアターに全員が集まりました。
真似のできない設備に圧倒されていた参加者も、ここは本業。
生気を取り戻したように舞台、客席、楽屋をくまなくチェック。
その後、ディスカッションを経て、講座は終了となりました。
 

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