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大ホール舞台上に、4名のパネリストと司会者、施設の担当者がいる 育成 2

(C) 神奈川県民ホール

劇場運営マネージメント講座
シリーズ「これからのインクルーシブ社会と公立文化施設の取り組み」
第2回
すべての人のための文化施設であるために

  • 2016年9月6日 実施
  • 大ホール

「バリアは人ではなく環境にある」。バリアフリーについて学び始めた頃に知った言葉です。
「環境」には周りの人の理解も含まれます。理解は相手を「知る」ことから始まります。
そこで、やってみましたシンポジウム。 タイトルは「すべての人のための文化施設であるために」。
パネリストは、今年神奈川県民ホ ールで大会を開いた障害関連団体の代表者4名。
司会は障害者差別解消法の成立に尽力した、 DPI 日本会議副議長の尾上浩二氏。
会場は大ホール。オーケストラピットを平土間にして車椅子、
手話通訳、要約筆記のスペースも確保した(予算上の)フルスペック状態。

二部構成の第一部は尾上氏による障害者差別解消法に関する基調講演。
第二部は4名のパネ リストに県民ホールの施設運営担当者を加えてのディスカッション。
客席には全国から集まった文化施設運営者、コンサートプロモーター、行政の担当者、
そして障害関連団体の方々が座っています。
それぞれの当事者が一堂に会することが、今回のシンポジウムの肝でした。

尾上氏の講演に続く第二部では、先ずパネリストにそれぞれどのような障害があり、
県民ホ ールを利用して何がバリアになったかを話してもらいました。
例えば、ディスレクシア(難読症)の方は館内のサインが分かりにくく、
聴覚障害の方は緊急時のアナウンスが聞こえないので音声以外の対応が必要、など。
続いて県民ホールの担当者がそれぞれの大会で行った配慮を説明。
その後は各大会の開催までに行われた対話、双方の合意点を見い出すまでの過程を全員で検証。
パネリストの一人が 「何か会場側でもできることはありませんか?」という電話をもらい驚いたとコメント。
他のパネリストも、その一言ですべてが始まったと同意。
尾上氏の「建設的対話を始めるのは実は簡単なんですね」の言葉で終了。
休憩挟んで約三時間半の長丁場でした。

参加者からは
「当事者の話しを聞く機会がなかったので参考になった」「障害に伴う様々な困難を知る機会となった」
「ハード面を整えることばかり考えていた」 「予算がなくても出来ることはあると感じた」
などの言葉をいただきました。
ささやかながらも「知る」機会が提供できたようでした。

今後も フェイスブックやホームページで “少しずつ”進むバリアフリー化を 報告していきます。

当日のレポートはこちらから
マグカル 
ローカルグッドニュース  

シンポジウムの内容はこちらに掲載されています
ローカルグッドニュース 

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