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劇場運営マネージメント講座
シリーズ「これからのインクルーシブ社会と公立文化施設の取り組み」
第8回 言葉のバリアフリー 聞き間違えない話し方 ホール・劇場編

  • 2018年1月23日 実施
  • 障害者スポーツ文化センター 横浜ラポール ラポールボックス
上の写真の「都心からの乗換え案内で使うー渋谷(しぶや)-何に聞き間違えるかわかりますか?」の答え、分かりますか?
そうです、ある方々にとっては、「日比谷」に聞き間違える可能性があるのです。
ある方々とは、難聴者とその傾向にある方です。
人の聴力は40歳前後から弱まり始め、加齢に伴い低下してゆきます。
超高齢化が進む日本では、約2千万人が難聴及びその傾向にあると言われています。
そういえば、お客様からの電話で、何度も聞き返されたことはありませんか。
伝わらない原因が分からず困ったことがある方も多いと思います。

今回の講座は、パナソニック補聴器株式会社 認定補聴器技能者の光野之雄氏を講師に招き、
パナソニックとパナソニック補聴器が進めるTalkingAidプロジェクトが開発したAIのプログラムによる
「聞き間違えない国語辞典※」を参照にしながら講座は進みました。

最初に難聴のメカニズムや聞き間違えについての体系的な説明を聞き、
次にホール・劇場編として、私たち文化施設がよく使う用語や言い回しに潜む、
聞き間違えの要素とその改善策を教えてもらいました。

言葉の音は、母音と子音の組み合わせで構成され、その組み合わせによっては、
聞き取りやすい周波数帯域と聞きづらい帯域に分かれます。
とくに、子音が、T、F、K、S、Pの音は、混乱しやすいことを知りました。
これで「しぶや」が「ひびや」に聞こえてしまう理由が分かります。

では、どう言い換えたら伝わるのでしょう。
この場合は、「忠犬ハチ公のいるしぶや」と情報を付け加えます。
また、劇場への問い合わせで多い「コンサートは何時に終わるの?」への回答、
「終演は七時を予定しています」も、「しゅうえん」と「しちじ」という聞き間違える要素を含んでいます。
「しゅうえん」は「きゅうえん」に聞こえ、「しちじ」は「いちじ」に聞こえてしまうことがあります。
この場合は、「しゅうえん」という聞きなれない言葉は使わず、そして、「しちじ」は音を変え、
さらに情報を付け加えて、「コンサートは 夜のななじに 終わる予定です」と、言葉を選びなおせば、
伝わりやすさがぐんと高まります。

開演、指定席、再入場、主催者、退館時間、施設など、私たちが使う言葉の中に、
聞き間違える要素をもった言葉はたくさんあります。
子音とその周波数帯域は、”スピーチバナナ“と検索してみるとすぐに分かります。
確かに、スピーチバナナの図を見てみると、これらの言葉には聞き取りづらい音が含まれていることに気づかされます。

伝わらない音は、周波数帯域の問題で、大きな声で話しても伝わらない。
こうした科学的な知識を、私たち話す側が持ち、伝わりやすい言葉を選ぶ技術を得ることで、
聞こえづらい方との会話がスムーズになる。
解決策は、私たちが変わること、という、とても単純で、今からできることを学んだ一時間でした。

※「聞き間違えない国語辞典」は、2018年3月、サービスの提供が終了しました。

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  • 本日の講師は、聞き取りやすい言葉や話し方を広める活動を進めるパナソニック補聴器 光野氏

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  • 話す側が変わることで会話はスムーズになる知識と技術を学びます。

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  • 「聞き間違えない国語辞典」は、スマホ辞典。気になる言葉は、検索し、そのページの保存も可能。(この辞典のサイトは終了しています)

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