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(C)神奈川県民ホール

劇場運営マネージメント講座
シリーズ「これからのインクルーシブ社会と公立文化施設の取り組み」
第10回 トイレの中の尊厳

  • 2018年11月1日 実施
  • 神奈川県民ホール 小会議室
いわゆる多目的トイレの名称は、地域によって異なります。
多目的以外にも、多機能トイレ、みんなのトイレ、誰でもトイレ、
バリアフリートイレ、ユニバーサルデザイントイレなどがあります。

名称が原因で、自由に使える場所だと勘違いされることもあります。
イベントのコスチュームに着替えたり、髪を染める人もいます。
本来の目的からかけ離れた利用実態が、新聞に取り上げられることもあります。

施設に多目的トイレを設置した後、その中で起きていることを知る機会は多くありません。
そこで多目的トイレについて学ぶ講座を開催しました。
講師はNPO法人Checkの代表理事・金子健二氏です。
全国の多目的トイレを調査して情報を公開するサイト Check a Toilet の設立者です。

多目的トイレの問題点は、様々な機能が集中していることです。
様々な障害を持つ方が、一つの個室に集中すれば渋滞が発生します。
講師の金子氏は、その解決法の一つとして、機能分散を挙げます。

機能分散については、平成24年に国交省が指針を公開しています。
例えば一つの施設の中で、車椅子用トイレは1階、成人用オムツ替えシートは2階、
オストメイト対応トイレは3階といった具合に機能を振り分け、一極集中を防ぐ考え方です。

講師の金子氏が提唱するのは、この考えを点から面へ拡張した、トイレシェアリングです。
自分の施設には車椅子用トイレしかないけど、成人用オムツ替えシートは隣のビル、
温水シャワーの付いたオストメイト用トイレは向かいのビルにあるので、そこを案内する。
このように、街全体を公共トイレ化して課題を解決する、それがトイレシェアリングです。

私たち公立文化施設は、日頃から地域連携という言葉をよく使います。
しかしトイレの連携という発想はありませんでした。
点ではなく面。個々の施設の課題ではなく、地域の課題として取り組む。
今回の講座は、バリアフリーの観点から多目的トイレについて考えようと企図しましたが、
文化施設も社会の一員という認識を新たにしてくれる、有益なものとなりました。

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