神奈川県民ホール 魔笛

神奈川県民ホール 魔笛 神奈川県民ホール 魔笛
神奈川県民ホール 魔笛

メッセージ

川瀬賢太郎

指揮
川瀬賢太郎
Kentaro Kawase, Conductor

音楽家にとって(少なくとも僕には!)モーツァルトを演奏する喜びは何事にも代えがたい幸せな事です。そして特にモーツァルトのオペラを指揮できる喜びと言ったら…!

僕はこれまで、『フィガロの結婚』、『後宮からの逃走』を指揮してきました。この秋には『コジ・ファン・トゥッテ』を指揮する予定もあります。そして…今回の『魔笛』。僅か2年の間にモーツァルトの主要なオペラをこんなに指揮できることは僕の人生において極めて重要なことです。それはなぜか?

モーツァルトのオペラには今の時代の人々にとって必要なメッセージが込められているからなのです。

魔笛—『魔笛』では闇と光が描かれています。光が無いと闇は生まれない。逆に、闇がないと光は生まれないのです。闇=悪なのか?光=善なのか?全ては共存し合っているから世の中とは興味深いのです。現代の社会もしかり。その中で「愛」を信じて、今置かれている現状からそれぞれが必死に羽ばたいていく。これが『魔笛』に共感する一番のポイントです。

少しでも多くの皆様とモーツァルトが書いたメッセージを共感し合えたら幸せです。

最後に、モーツァルト万歳‼


勅使川原三郎

演出・装置・照明・衣裳
勅使川原三郎
Saburo Teshigawara, Stage Director & Stage, Costume, Lighting Designer

『魔笛』を以前ご覧になった方にとっては、今回の演出は少し違うな、と思うところがあると思います。今回は日本人が演じて歌う、踊る、創る、そして観客もほとんど日本人でしょう。それなのに、日本人がドイツ語で喋っているのを観るというのは、僕にとっては奇妙な感じがしたので、ドイツ語での台詞をやめて日本語でナレーションをすることにしました。台詞を客観的な言葉に置き換え、演劇的要素をむしろ省いて、身体表現で内容をもっと豊かにするということを目指す方が、歌という芸術的な表現に集中できるのではないか、音楽や歌唱が引き立つのではないか、と思いました。

舞台装置もいわゆる具象的な舞台美術ではなく、舞台上には、最も大きな直径8mの金属の輪をはじめとして4種類の輪が登場する。それらが場面によってさまざまな役割を果たし、縦や横、時には回転運動や前後運動することで、円環するエネルギーや宇宙的なものを表現する。輪の中にいる人、外側にいる人の違いが明解になるし、例えばこれが全部縦の配置になると部屋のようになる。動き方や配置によって、空中に浮いているとまた違う雰囲気になるし、具体的ではないからこそ表現が多様化するということです。どちらかというと、彫刻やインスタレーションという風に見てもらっていいと思います。輪の大きさや動きによって場面の質を変化させる。もちろんこれには照明が関わってきますから、微かなエッジとしてしか見えない時もあるし、ピカッと光るようにすることもあるし、逆光で見えることもある。ですから照明が特に重要だと思っています。

オペラですから、音楽と歌がメインなことは確かです。しかし、歌だけではなく、音楽に調和した身体表現や空間、装置も衣裳も含めて、全体としてダイナミックに、パワフルに感じられるよう演出したい。

〈人間の内面〉と〈宇宙の摂理〉というものを、いかに明解にその世界観を表せるか、ということが大事なことだと思っています。




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「魔笛」大分公演

チケットかながわ

主催:
神奈川県民ホール(公益財団法人神奈川芸術文化財団)・iichiko総合文化センター(公益財団法人大分県芸術文化スポーツ振興財団)・公益財団法人東京二期会・公益財団法人神奈川フィルハーモニー管弦楽団

平成28年度文化庁劇場・音楽堂等活性化事業
文化庁

助成:公益財団法人三菱UFJ信託芸術文化財団

後援:FMヨコハマ

お問い合わせ 神奈川県民ホール事業課  045-633-3762

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