©Karen Almond/Metropolitan Opera

©Ken Howard/Metropolitan Opera

浜辺のアインシュタイン新制作上演 関連イベント

METライブビューイング フィリップ・グラス《アクナーテン》《サティアグラハ》上映会

今年10月、ミニマル音楽の巨匠フィリップ・グラスと舞台芸術の鬼才ロバート・ウィルソンによる「浜辺のアインシュタイン」の新制作上演を控え、グラスのオペラ作品《アクナーテン》と《サティアグラハ》を上映いたします。ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場(通称:MET)で上演される世界最高峰のオペラをスクリーンで楽しむMETライブビューイング。今回上映する《アクナーテン》は本年グラミー賞にも輝きました! 他の誰にも真似できないグラスの作品世界をたっぷりとご堪能ください。
※各回上映10分前より沼野雄司(音楽学者)によるプレトークを開催

  • 日時 2022/7/16(土)12:00 | 17:00 開演(11:30 | 16:30 開場)
  • 会場 小ホール
  • 料金 一般各3,200円・学生各2,100円/2演目セット券5,900円
  • 一般発売 2022/5/28(土)
  • お問い
    合わせ
    神奈川県民ホール 045-662-5901(代表)

空前のオペラ体験!フィリップ・グラスの“ポートレート3部作”の凄さと素晴らしさ

文・前島秀国(サウンド&ヴィジュアル・ライター)

 インド独立運動の指導者マハトマ・ガンジーを主人公にしたオペラ《サティアグラハ》(サンスクリット語で「真理の把握」の意味)と、太陽神アテンを信仰した古代エジプトのファラオをタイトルロールに据えたオペラ《アクナーテン》は、科学者アインシュタインを詩的に表現したオペラ《浜辺のアインシュタイン》と共に、フィリップ・グラスの“ポートレート3部作”と呼ばれている。神々や歴史上の英雄、あるいは悲恋のカップルを題材にすることが多い伝統的なオペラの立場からすると、グラスがオペラの主人公や題材に選んだ人物は、少々風変わりかに思えるかもしれない。

 では、なぜグラスはこれら3人の人物を選び、そのポートレート(人物像)を描くオペラを作曲したのか?・・・(⇒つづき)

 

 

●開館50周年記念オペラシリーズVol.1
フィリップ・グラス/ロバート・ウィルソン「浜辺のアインシュタイン」
〈一部の繰り返しを省略したオリジナル・バージョン/新制作/歌詞原語・台詞日本語上演〉
【日時】2022年10月8日(土)、9日(日) 各日13:30開演
【会場】神奈川県民ホール大ホール【チケット発売】6月25日(土)
 公演詳細はこちら

 

English information

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12:00《アクナーテン》

※字幕について

本作は演出の意図を尊重し、各場面の題名と 一部の歌詞のみ字幕が表示されます。
物語・場面を説明する英語のセリフや歌詞のみ字幕が表示され、古代エジプト語やヘブライ語を含むその他の歌詞は、反復的な表現で断片的で儀式的なものとして表され、演出上、字幕が表示されません。予めご了承ください。

©Karen Almond/Metropolitan Opera

【出演】

指揮カレン・カメンセック
演出  フェリム・マクダーモット
キャスト              アクナーテン … アンソニー・ロス・コスタンゾ(カウンターテナー)
ネフェルティティ … ジャナイ・ブリッジス(メゾソプラノ)
太后ティイ … ディーセラ・ラルスドッティル(ソプラノ)
アメンホテプ3世 … ザッカリー・ジェイムズ(バス)
ホルエムヘブ … ウィル・リバーマン(バリトン)

 

【上映時間】

約3時間39分(休憩2回)

ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場 上演日:2019年11月23日

【あらすじ】

●第1幕

アクナーテン治世元年、すなわち紀元前1352年頃、古代エジプトのテーベ。先代のアメンホテプ3世の葬儀を終えた息子アメンホテプ4世が、新たなファラオとして王座に就く。アメンホテプ4世は、自分の名前を「アモン神の魂」を意味する「アメンホテプ」から、「太陽神アテンの魂」を意味する「アクナーテン」に改名すると宣言。妻のネフェルティティ、母のティとともに太陽を高らかに讃える。

 
●第2幕 タゴール
治世第5年から第15年、テーベ。アクナーテンとティは宗教改革に着手し、それまで実権を握っていた神官たちを寺院から追放する。さらにアクナーテンは、新たな秩序を打ち立てるべく、「アテン神の地平線の都市」すなわちアマルナを新たな首都として遷都すると、「空の地平線より美しく現れ出ずる汝、太陽よ/おお、生けるアテン、生命の源たる太陽よ/東の地平線から昇る時、汝は目も眩むほど明るく輝き/どんな地表よりも高く、汝が創り上げた大地の隅々まで光で覆い尽くす」とアテン讃歌を歌う。

 

●第3幕

治世第17年および現代。アクナーテンのネフェルティティは6人の娘を授かるが、母ティは、アクナーテンの改革に不満を覚えた民衆の不穏な動きを察知する。宮殿の扉を破壊した民衆の中からアモン神の神官たちが現れ、アクナーテンを殺害。死後の世界から、父アメンホテプ3世が息子の死を悲しむ。新たなファラオとしてツタンカーメンが即位し、従来の多神教を復活。時間が飛んだ現代。死後の世界からアクナーテン、ネフェルティティ、ティの歌声が聴こえてくる。

©Karen Almond/Metropolitan Opera

17:00《サティアグラハ》

※字幕について

『サティアグラハ』の字幕は最小限に抑えられています。歌詞は、サンスクリット語によるヒンドゥー教の聖典『バガヴァッド・ギーター』の言葉が使われます。そのため歌詞と舞台上の出来事には関連性がありません。これは、「意味にとらわれず音として体感される歌詞と、歌詞の影響を受けずに語られる物語」という作曲家フィリップ・グラスの意図を尊重したためです。彼の意向をご理解のうえで、お楽しみください。

 

©Ken Howard/Metropolitan Opera

【出演】

指揮ダンテ・アンゾリーニ
演出  フェリム・マクダーモット&ジュリアン・クローチ
キャスト              ガンジー … リチャード・クロフト(テノール)
シュレセン… ラシェル・ダーキン(ソプラノ)
カレンバック … キム・ジョーセフソン(バリトン)
ルストムジ … アルフレッド・ウォーカー(バスバリトン)

 

【上映時間】

約3時間58分(休憩2回)

ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場 上演日:2011年11月19日

【あらすじ】

●第1幕 トルストイ 
第1場 クル族の『義』の戦場
クル族とパーンドゥ族の2つの王家の間で大戦争が始まろうとしていた。クリシュナ神は王子アルジュナに「生と死に対し賢明であれ」と説く。ガンジーは神話での対決と現在の対決とを照らし合わす。
 第2場 トルストイ農場(1910年)
ガンジーは南アフリカのインド人移民と共に、初めての集団行動としてトルストイ農場を起こした。そこはすべての家族が簡素な生活を送り、互いに仲良く暮らす場所。ガンジーは、欲を捨て労働に従事するのが望ましい、と公言する。
 第3場 誓い(1906年)
英国政府はインド人全員に対して、移民登録と指紋採取を義務づけるブラック法を提出した。それを受けて開かれた公開集会で、死ぬまでこの法案に抵抗するという決議が採択される。これによりサティアグラハ運動は転機を迎えることとなった。生死を賭した決議であることから、普段の多数決で採決されること以上の覚悟が必要だからだ。神の名においての誓いのみが、個人の不屈の精神を支えるのである。
 

●第2幕 タゴール
第1場 対決と救助(1896年)
インドに滞在した6カ月の間、ガンジーは南アフリカにおけるインド人移民の現状を人々に伝えた。その後、再び南アフリカのダーバン港に降り立つと、ヨーロッパ人たちの激しい抗議の渦に包まれる。群衆は次第に暴力的になり、ガンジーを市中追い回す。するとガンジーの支持者が現れ、傲慢と偽善で堕落した愚か者の集まりだと群衆を非難し、ガンジーを安全な場所へ導く。
 第2場 『インディアン・オピニオン』紙(1906年)
抵抗運動の核となったのは、『インディアン・オピニオン』という週刊新聞である。その内容にはサティアグラハ理念の成長が反映されていく。そしてしっかりとした規定を内部に設けることで、同紙は闘争における有力な武器となっていった。ガンジーの妻と同志たちは、個人的な満足を得るためではなく、大義のために行動することの大切さを強調する。

第3場 抗議(1908年)
抵抗運動のリーダーたちは、南アフリカからの退去命令に背いたとして投獄された。そこでインド人はさまざまな違反行為を犯すことによってわざと逮捕されるように仕向け、刑務所を満杯にすることで政府に抗議する。政府は、自主的に登録を行なえばブラック法を撤回するという和解案を提示するが、法案はそのまま通されてしまう。サティアグラハ運動の同志たちは「法案を撤回しないなら、登録証はインド人の手で集めて燃やす」という最後通告を政府に突きつける。そして政府がそれを拒否すると、登録証は次々と大釜に投げ込まれ炎に包まれる。その中でガンジーは、人に対しては憎しみを抱いてはいけない、と説く。

 

●第3幕 キング
ニューキャッスルの大行進(1913年)
人種差別的な2つの法律を撤回するという公約を政府が破ると、炭坑労働者たちのストライキが起こる。ガンジーを先頭に、炭坑労働者たちとその家族らは、サティアグラハ運動の同志たちと合流してトランスヴァールの国境まで58キロにおよぶ道程を行進した。もしこの検問所で逮捕されれば、5,000人もの集団が刑務所に押し寄せることになる。一方、逮捕されなければトルストイ農場まで大行進を続け、ストを長引かせることができる。ガンジーは、抵抗することなく試練に耐えるよう人々に指示する。そして、魂はいずれブラフマー神の元へ帰るというバガヴァッド・ギーターの教えを引用して次のように公言する。「神は言う:私もあなたも幾度もの生を経験している。私はすべてを覚えているが、あなたは何も知らない。正しき者が衰退し、非なる者が繁栄する時、私はこの地に誕生する。非なる者を倒し、再び『善』をその座につかせるために。」

©Ken Howard/Metropolitan Opera

 

 


 

|METライブビューイングとは?

⇒ https://www.shochiku.co.jp/met/about/

 

チケット

当日券
■前売り券について
公演当日の窓口での密集・接触リスクを減らすため<開演2時間前>まで、チケットかながわ(電話・WEB・窓口)にて取り扱います。
※公演前日18:00以降~当日のご予約は、クレジットカード決済⇒セブンイレブン引取(発券手数料110円/枚)、もしくは窓口でのご購入となります。


■当日券について
前売り券販売終了後、残席がある場合のみ当日券を<開演30分前>から、小ホール受付にて販売します。
当日券の有無は、チケットかながわへお問い合わせください。

※お名前と連絡先を伺います。予めご了承ください。
※未就学のお子さまはご入場いただけません。
チケット発売日

一般:2022/5/28(土)

チケット料金

全席指定 一般各3,200円・学生各2,100円
2演目セット券5,900円

※就学前のお子様はご入場いただけません。

主催 神奈川県民ホール[指定管理者:公益財団法人神奈川芸術文化財団]
助成
文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)独立行政法人日本芸術文化振興会/公益財団法人 ローム ミュージック ファンデーション

ご来場のみなさまへ 感染症対策にご協力をお願いいたします。

神奈川県民ホールでは新型コロナウイルス感染拡大予防対策を徹底し主催公演・展覧会等を実施します。
ご来場前に必ず、当ホールホームページの「ご来場のお客様へのご案内」をご確認ください。
また、当面の間、入場者数を制限して実施します。

ピクト

 

 

 

・施設内では原則としてマスクの着用をお願いします。
・体調がすぐれないお客様、37.5度以上の発熱や咳などの症状があるお客様はご来館をお控えください。
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※新型コロナウイルス感染拡大の影響のほかやむを得ない事情により、公演・展覧会等が中止・変更になる場合があります。