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育成 2

(C)神奈川県民ホール

平成29年度 大学連携事業《東京藝術大学》
チェンバロに関する人材育成事業(全4回)第2回 報告

  • 2017年11月12日(日)
  • 神奈川県民ホール 事務室
 11月12日(日)に県民ホール事務室で第2回目のチェンバロに関する人材育成事業を実施しました。
 この事業は、休館中の県民ホールで若手演奏家の人材育成及び当館所有のチェンバロをより良い状態に保つことを目的に実施しているものです。
 今回は東京藝術大学でチェンバロを専攻している1年生から3年生までの6人の学生に、事前にチェンバロを弾き込んでもらい、12日は各15分の持ち時間でトークを交えながら演奏をしてもらいました。
 今回の演奏者は、藝大から招聘されたアリーン・ジルベライシュ教授(フランスを代表するチェンバロ・フォルテピアノ奏者でストラスブール音楽院チェンバロ科教授、パリ高等音楽院チェンバロ教育科教授)の特別レッスンを受講しており、その成果発表の場でもありました。アリーン先生はお忙しいスケジュールを縫って駆けつけてくれ、学生たちの演奏に熱心に耳を傾けられていました。
 演奏終了後は、聴講者の要望に応えてチェンバロの楽器説明を学生たちしてもらいました。「鍵盤の上にあるレバーは何のために使うのか」「なぜピアノと違い楽譜を見ながら演奏するのか」「二段の鍵盤があるが、上の鍵盤を弾く時は楽譜に指示されているのか」などチェンバロに関する素朴な疑問から突っ込んだ質問までとび出し、その質問にも演奏者に答えてもらい、人材育成の一環として大学の授業とは違ったことにも対応してもらいました。

今回演奏した学生からの感想を抜粋してご紹介します。
●学生にとって演奏をして意見を頂けることは励みになるので、このような教育事業は良いものだと思いました。出来ることならもっと増やして頂けると嬉しいです。またチェンバロは弾かないと良い状態を保てないので、こういう機会をもう少し増やせると楽器にとっても良いと思いました。
●クラシック(チェンバロ)にあまり馴染みのない方もいらっしゃる公演の際、トークの重要性を感じました。曲解説など専門的な話になりすぎないよう、興味を持って聴いていただけるように内容を考えていかなければならないなと思いました。
●チェンバロはホール(会館)に当たり前のように置いてある楽器ではなく、演奏の場も他の楽器より限られてしまうので、今回のような場所で演奏できることはとても貴重でありがたい機会でした。演奏者にとって人前で演奏できるということは、大きな喜びですし、また大きく成長できるチャンスでもあると思っています。
●チェンバロは大きなホールでの演奏を苦手とする楽器なので、今回のような部屋で気軽に演奏ができる機会がもっと増えると演奏家を目指す私達も嬉しいです。

監修:大塚直哉氏(東京藝術大学音楽学部准教授、日本チェンバロ協会会員)
特別指導:アリーン・ジルベライシュ(東京藝術大学特別招聘教授)
協力:東京藝術大学音楽学部
平成29年度 文化庁劇場・音楽堂等活性化事業

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  • 楽譜を見せながら曲目紹介をする演奏者

  • チェンバロの構造を説明している様子

  • 当館所有のチェンバロ(アトリエ フォン ナーゲル社製)を前に演奏者全員で

  • 当館チェンバロの前面。二段鍵盤になっており、鍵盤の上に黒い突起が3つあります。左右についているのが音域を広げる「レジスター」、真ん中についているのが音色を変える「バフ・ストップ」と呼ばれるレバーです。